フリーランスSEとインボイス

1年近く更新をしていないと、結局子育てとフリーランスエンジニアってどうなの?と思われそうですが、特出して記事にするようなことがなかっただけで、今のところ順調に両立できています。

今現在においても、子育てのためにフリーランスエンジニアを選択するのは”有り”だと言えますが、今後においてはちょっと業界全体の風向きが大きく変わりそうなので、今回はそれを踏まえてお話したいと思います。

IT業界のフリーランスも含めたSESと呼ばれる業界については、今も変わらない市況であると感じます。よって必要なスキルさえあれば仕事がないという状況ではないはずです。

それは今後もしばらくは続きそうなのですが、単純な市況よりもさらに強い要因が再来年(2023年)からスタートする予定となっており、これがだいぶネックになりそうです。

それはタイトルにもある通り、インボイス です。

インボイスって何?

細かい制度内容については各自調べていただきたいのですが、かいつまんでお話すると以下の点が変わります。

  • 売上が1,000万円以下の事業者(以下、免税事業者)も消費税の納税義務が発生する。
  • 仕入額控除が少ないフリーランスは影響が大きい
  • 取引先に適格請求書を発行しなければいけない。また消費税に関する経理処理が面倒になる。

消費税を納税する

まず初めに言っておくこととして、今回のお話は既に売上が1,000万を超えていて課税事業者となっている方は、元々納税している方なので影響はありません。(事務処理に変更があるかどうかは分かりませんが)
また、免税事業者のままでいるという選択肢もあります。ただしこれについては後述しますが問題点があります。

免税事業者は、その名の通り消費税が”免税”されているため納める必要がありません。
しかしインボイス制度によって課税事業者となった場合は、消費税を納める義務が発生します。

2021年現在の税率は10%なので、単純に考えてしまうと売上から10%の税金を納めるということになります。

例えば、80万円が報酬で内税が72,727円だとしたら、72,727円が納める税金になります。

これは大きいですよね?でもこれはちょっと違います。

仕入額分を控除する

フリーランスをやっていると、経費が発生していると思います。

仕事のための機器や道具を買ったり、交通費を払ったり…。
そこでも消費税を払いますが、ここで払った消費税は上で書いた納めなければいけない売上(報酬)に対する消費税と相殺できるのです。

なので、

80万円が報酬で内税が72,727円だとしたら、72,727円が納める税金になります。

とは書きましたが、実際に丸々72,727円を払うということは(経費が0でない限り)ありえません。そこから経費で払った消費税を差っ引くので、例えば経費で払った消費税が1万円あったとしたら大体6万円強を納税する形になります。

これが仕入額控除です。

しかしここで問題があります。

知っておきたい。フリーランスSEの経費の考え方

この記事にも書いてある通り、フリーランスエンジニアは経費としてかかるものが極端に少ないです。

つまり仕入額控除がほとんどないとも言えます。

そのためフリーランスエンジニアは他の経費がかかる自営業者よりもインボイスの影響が大きいのです。

適格請求書を発行し、税の処理をする

僕も経験がないので実際どういうものか分からないのですが、適格請求書を契約先に発行する必要が出てきます。この時点で1つ事務作業が増えます。

また、消費税の処理をするために経理もそれ用の処理をしなければいけなくなるはずです。

この辺は会計ソフトがある程度は対応してくれると思いますが、それでも面倒なことには変わりないはずです。

想像しただけで、ちょっとげんなりしますね。

免税事業者のままでいるという選択

個人的にはこれは”有り”だと思っています。
上述した通り、インボイスを導入すると手取りは大きく減るし非常に面倒だからです。

ですが、それをするとどういうことが起こり得るでしょうか?

直接的には我々側に問題が発生するのではなく、取引先(つまりお客様)に影響が出ます。

インボイスが施行されると、取引先は免税事業者に払う消費税を仕入額控除できなくなるのです。
※これは措置期間があります。詳しくはこちらを参照

つまり取引先から見ると、控除できない分消費税の納税額が増えるという形になるんですね。
同じ金額を払うのなら免税事業者よりも課税事業者と取引した方が損がないということになります。

そのため免税事業者はそれだけで取引を中止にされたり、新たな契約が取れないリスクが発生するのです。
そこまでいかなくても免税事業者なら単価を下げます。と言われることも考えられます。

これは本当に悩ましいところだと思います。

消費税の今後

もう一つの懸念点として消費税率が今後どうなっていくか。というのがあります。

今は10%ですが、今後も上がっていくことが予想されます。

上がっていけばいくほど、経費の少ない課税事業者にとっては影響がどストレートに上がっていきます。

インボイスを考える時、現時点の状態だけで考えられない理由がこれです。

世の中の動向

あまり詳しくはないのですが、税理士会はインボイスの導入を反対しているようです。

税理士会がどれほど影響を与えてくれるのか分かりませんが、個人的には少しだけ期待しています。

まとめ

ポイント
・インボイス制度が導入されると課税事業者になるか免税事業者になるか選択を迫られる
・経費の少ないフリーランスエンジニアが課税事業者になると負担は大きい
・免税事業者のままであれば直接負担は増えないが、間接的に仕事に影響が出る可能性が高い

 

追記:2022/06/15

簡易課税制度について全く触れていなかったので、続きを以下の記事で書きました。
よろしければ合わせてご覧ください。

フリーランスSEとインボイス②

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ABOUTこの記事をかいた人

子どもが産まれたことをきっかけに働き方を見直し、フリーランスSEになった30代の父親。 埼玉県某市在住。 妻と娘(4歳)とペット(フェレット)で、日々悩みながらも楽しく過ごしています。