ITエンジニア働き方比較

働き方改革という言葉が世に出て久しいですが、ITエンジニアの働き方もだいぶ多様になってきたと感じています。

僕のブログでも主に「会社員」と「フリーランス」で比較してお話ししてきましたが、今回はもう少し細分化してまとめてみたいと思います。

区分け

区分けすると大体こんな感じになると思います。

①自己受注型フリーランスエンジニア
②SESフリーランスエンジニア
③SES会社員エンジニア(高還元型)
④SES会社員エンジニア
⑤派遣型エンジニア
⑥受託・自社サービス型会社員エンジニア

①自己受注型フリーランスエンジニア

仰々しく書いていますが、要は世間一般の人が想像しているフリーランスです。

自分で営業して仕事取って報酬をいただく。という形のフリーランですね。請負契約型とも言えます。

SESフリーランスエンジニアや会社員エンジニアもやりながら、こちらもしている。という人もいるでしょう。

②SESフリーランスエンジニア

エージェント(SES)と呼ばれる会社に仕事を探してもらう形のフリーランスです。

近年ではだいぶメジャーな働き方になっています。
原則は客先常駐が一般的でしたが、コロナの影響で在宅で働いている人もかなり増えました。

報酬はもちろんのこと、働く日数も契約次第なので、週1~5様々な人がいます。
とは言え、週5契約の方がまだまだ多いのが現状です。

エージェントを経由するので、単価からマージンを引かれます。
マージン率は基本的に公開されていないので分からないのですが、大体10〜15%くらいだと思います。
20%以上だと高いと個人的には思いますが、ここは自分の作業内容と報酬が適しているかで判断するしかありません。

契約形態は、請負ではなく準委任という契約で働くのが一般的です。

ちなみに僕はこれです。

③SES会社員エンジニア(高還元型)

④と働き方の形は基本同じなのですが、最近Twitterでよく見かけるようになってきた、高還元を謳い文句にしているSES企業です。

冒頭で多様化してきたな。と感じたのはこのような企業を見かけるようになってきたからです。
ただし、”よく見かける”とは言ってもTwitterで見かける程度なので、世間一般の認知度としてはまだまだ低いと思います。

もっと存在しているかもですが、僕の方で大体5~6社ほど見かけました。多くが65%還元と明記しています。
そこら辺りが会社経営の損益分岐点を維持できるギリギリラインなのでしょうか。

SESが何かは下の④で説明します。

④SES会社員エンジニア

古の時代から存在する社員を常駐派遣して利益を得るモデルの会社のことをSES企業と言います。
その企業に在籍し他社に派遣されている人のことを「SES会社員エンジニア」と表現しています。

実はSESという言葉はフリーランスになってから知ったのですが、まぁあまり良い話は聞きませんね。

問題は色々あるのですが、この記事はそこが主題ではないので論じません。

今回の記事と関係するところで言うと、③のSES企業と比べると社員への還元率が低いということが言えます。
しかし、これに関しては公開している企業がほとんどないですし、僕自身SES企業の勤務経験もないので、もう少し高い所もあると思いますが、大体30%くらいだと想定します。

なお、以前一緒に働いていた現場の人が、「20%しか貰っていない」と言っていたのを聞いて驚愕した覚えがあります。(本当かどうかは分かりません)

⑤派遣型エンジニア

準委任契約ではなく派遣契約で客先で働く人のことを言います。

人材派遣会社に雇用されて働くので、パッと見SES会社員と違いがなさそうなのですが、「登録型派遣」と「無期雇用型派遣」の違いがあったり、固定給ではなく時給だったり、派遣契約期間は最長3年間までといった違いがあります。
法律的に一番大きな違いは、準委任契約なのか派遣契約なのかという点ですが…。

時給はITエンジニアだと、2,000円〜3,000円が相場のようです。3,000円を超えるのはかなりハイスキルな現場かも知れないですね。

※ちなみに、ちょっと前までは「派遣は交通費が支払われないケースがある(時給に含められている)」というのが問題視されていましたが、これは2020年4月から「改正労働者派遣法」が施行され解消されているようです。

ただ、雇用されるとはいえ、自分の条件にあった働き方を探せるという視点では、フリーランスに近い形態とも言えます。

⑥受託・自社サービス型会社員エンジニア

いわゆる派遣されずに働くエンジニアです。

ここでは簡単に上記以外と思ってくれれば。

 

比較

比較すると以下のようになります。(⑥は除いています)

月収 ボーナス 年収 交通費
①自己受注型フリーエンジニア その人次第 無し その人次第 自費
②SESフリーエンジニア(マージン10%) 72万※1 無し 864万 自費
③SES会社員エンジニア(還元率65%) 52万※1 無し? 624万 会社支給
④SES会社員エンジニア(還元率30%) 24万※1 96万(4ヶ月分で計算) 384万 会社支給
⑤派遣社員エンジニア 40万※2 無し※3 480万 会社支給
働く場所 働く日数 有給 年金 各種保険
①自己受注型フリーエンジニア 自由 自由 無し 国民年金※5 国民健康保険
②SESフリーエンジニア(マージン10%) 選択可 選択可 無し 国民年金※5 国民健康保険
③SES会社員エンジニア(還元率65%) 選択可? 選択可? 有り 厚生年金※6 所属企業の健康保険※6、雇用保険
④SES会社員エンジニア(還元率30%) 選択不可※4 選択不可 有り 厚生年金※6 所属企業の健康保険※6、雇用保険
⑤派遣社員エンジニア 選択可 選択可 有り 厚生年金※6 所属企業の健康保険※6、雇用保険

※1 単価を80万とする
※2 時給を2,500円で計算:2,500円×8h×20日 = 40万
※3 絶対ないとは言い切れない
※4 会社によってはある程度考慮してくれるかも知れない。
※5 任意で加入できる国民年金基金や付加年金はある
※6 労使折半のため、労働者の負担は半額

何を基準に選択するか?

どれを選ぶのが正解か?というのは基本的にありません。

その人のライフスタイルやその時何が重要かで変わるでしょう。
仕事のやりがいや内容で選ぶ人は、そもそも上記の比較は比較にすらならないのかも知れません。

僕の場合は、仕事のやりがいや内容より、今はプライベートとのバランスを重要視した結果、働く場所や融通を利かせやすい②を選択しています。

個人的にはSES会社員は働くメリットがあまりないと思っている派ですが、もし③のような会社で、同じようにある程度融通を利かせてもらえるのなら選択肢としてかなり良いなとは思います。
雇用契約なので、福利厚生がフリーランスより充実していますし。
多分ないとは思いますが、ボーナスが出たらフリーランスより稼げそうですね。

ちなみに会社員とフリーランスのより細かい待遇比較はこちらにまとめています。

育児の時間は本当に取れるようになる?〜会社員とフリーランスSEの違い〜

以上、フリーランスや会社員といった2極化ではなく、働き方はもう少しグラデーションがかかっていますよ。というお話でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

子どもが産まれたことをきっかけに働き方を見直し、フリーランスSEになった30代の父親。 埼玉県某市在住。 妻と娘(5歳)とペット(フェレット)で、日々悩みながらも楽しく過ごしています。